運輸業

相鉄グループの基幹事業である運輸業を2社で行っています。

  • 特に注記のないものは2023年5月31日現在の内容です。

相鉄線の概要

相互直通運転で都心へのアクセスが向上。1日平均55万人が利用

相鉄線は、横浜~海老名間24.6kmと二俣川~湘南台間11.3kmに、西谷~新横浜間6.3kmを加えた合計42.2kmの旅客線と、相模国分~厚木間2.2kmの貨物線との合計44.4kmで営業しています。
2019年11月からJR線と、2023年3月から東急線との相互直通運転を行っています。

営業収益と輸送人員の推移

営業収益(百万円)と輸送人員(万人)の推移

相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)連続立体交差事業

踏切を減らして安全性を向上

相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)連続立体交差事業は、西谷駅~二俣川駅間の約2.8kmを事業区間とし、うち鶴ケ峰駅を含む約2.1kmを地下化して合計10カ所の踏切をなくし、交通を円滑化するとともに、都市機能を充実させることを主な目的とする横浜市の都市計画事業です。2022年度上期から事業が進められ、2033年度の完成を目指しています。

西谷駅~二俣川駅間の事業区間

路線図

2023年7月2日現在

YOKOHAMAどっちも定期

IC通勤定期乗車券の有効区間内に西谷駅~新横浜駅間が含まれている場合に、追加運賃なく相鉄線横浜駅での乗降が可能(途中下車は不可)となるサービスです。相鉄・東急直通線の開業に合わせて導入した新たなサービスです。

  • 通学定期乗車券・磁気定期乗車券は対象外。

設備投資

安全で快適な輸送サービスを提供するため、この10年間で1,004億円の設備投資を行ってきました。安全性向上を基本に、多様化するニーズに対応するため、環境対策を含めた輸送サービスの向上に努めています。

設備投資額の推移

設備投資額の推移(百万円)

相鉄線の安全対策

全駅へホームドアを設置

全てのお客さまに安心してご利用いただけるよう、全駅へのホームドアの設置を進めており、2023年度に海老名駅を除く全駅に設置が完了する予定です。
また、万一に備え、全駅に列車非常停止ボタンを設置しており、ボタン操作により付近を走行中の列車に異常を知らせ、併発事故を防止します。

大和駅
ホームドア設置駅(2023年7月2日現在)

TTC(総合運行管理)

TTC(Total Traffic Control)とは、列車の運行に関する情報を一元管理するシステムで、相鉄線では運輸司令所にて全線の運行状況を監視し、運行管理を行っています。
相鉄線のTTCは、中央分散方式の採用と全ての機器の二重系化により、システムの信頼性を確保しています。また、高速度の光ファイバー回線を使用して、信号や列車接続などの詳細まで制御しており、情報提供も迅速・正確に行えるシステムにしています。

運輸司令所

お客さまサービスの向上

サービス介助士の配置

全てのお客さまに安心・快適にご利用 いただくため、2012年11月以降、全駅の係員がサービス介助士の資格を取得しています。また、一部の駅にAI画像解析技術を活用したお客さまサポートシステムを導入し、介助が必要なお客さまのサポートを迅速に行えるようにしています。そのほか、応急手当や救命措置が適切に行えるよう、全社員が普通救命講習を受講。2006年から全駅にAED(自動体外式除細動器)を設置しています。

リアルタイムで相鉄線運行情報を提供

お客さまにリアルタイムで運行情報を提供できるように、総合的な運行情報提供システムを構築しています。相鉄線の運行に10分以上の遅れや運転見合わせが発生した場合、または遅れが見込まれる場合に、相鉄グループ公式ウェブサイトやツイッターで運行情報を提供しています。
また、運行情報を表示するモニターを全駅に設置しているほか、一部の車両では、車内モニターによる情報提供を行っています。

相鉄線アプリ

相鉄線や他社線の運行情報のほか、相鉄線に運転見合わせなどの事象が発生し、振替輸送が行われた際の迂回(うかい)ルート検索、相鉄線内の列車の走行位置を表示する機能を備えたアプリです。携帯端末の言語設定による多言語表記(4カ国語)、定期券の購入予約が行える「定期券QR予約システム」なども備えています。

相鉄線アプリ

鉄道駅バリアフリー料金

2023年3月から、鉄道駅バリアフリー料金を大人旅客運賃に加算しています。収受した料金は、バリアフリー設備(ホームドアの設置、ホームと車両の隙間の解消、エスカレーターの改良など)の整備費などに充当しています。

相鉄線の車両

安全性・快適性を追求

相鉄線の車両は、全て経済性に優れたアルミ合金または軽量ステンレス車体で、電力回生ブレーキ付きのVVVFインバーター制御装置を採用するとともに車内照明や各種灯火類のLED化などと合わせて、消費電力の低減と長寿命化を図っています。加えて最新型車両である21000系と20000系では、次世代半導体素子(SiC)ハイブリッドモジュールの採用により、消費電力のさらなる削減を実現しています。また、新型車両には、「安全×安心×エレガント」をコンセプトにした先進的なデザインを採用。安全性・信頼性の向上を図るとともに、ユニバーサルデザインとバリアフリーにも配慮しています。「ヨコハマネイビーブルー」の外装は、2016年から順次導入しています。

21000系

2021年9月に登場。東急目黒線直通用として8両編成で運用しています。20000系を基本に東急目黒線の規格に合わせた装備類を搭載しています。2023年度にさらに2編成・16両を導入予定で、計画していた全9編成の導入が完了します。

20000系

2018年2月に登場。「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを初めて反映した車両です。東急東横線直通用として10両編成で運用しています。2018年にグッドデザイン賞を、2019年に鉄道友の会からローレル賞を受賞しています。

12000系

2019年4月に登場。JR線直通車両として湘南新宿ライン・埼京線などを経由して新宿方面に乗り入れています。前方監視カメラや車内防犯カメラを初めて搭載した車両で、2019年にグッドデザイン賞を受賞しています。

相鉄の乗り合いバス

横浜市内と神奈川県央に128系統

相鉄バスは、横浜市内と神奈川県央部を中心に綾瀬(綾瀬市)、旭(横浜市旭区)、横浜(横浜市保土ケ谷区)の3営業所から128系統のバスを運行しています。
相鉄線の主要駅(横浜・鶴ケ峰・二俣川・三ツ境・海老名など)やJR線の保土ケ谷駅・東戸塚駅・中山駅などと、住宅地や学校、よこはま動物園(ズーラシア)などを結ぶ身近な足として、人々の暮らしをサポートしています。

路線エリア図
路線エリア図

高速バス

羽田空港や軽井沢・草津温泉へ「ハイウェイクルーザー」

横浜駅や二俣川駅、海老名駅から羽田空港や観光地などに直行する高速バス「ハイウェイクルーザー」を5路線で運行しています。
軽井沢・草津温泉線は2022年11月から、御殿場プレミアム・アウトレット線は2023年5月から運行を開始しました。

高速バス

二俣川駅~羽田空港線

バス停
羽田空港(第1・2・3ターミナル)
所要時間(片道)
約50〜60分
担当営業所
相鉄バス(株) 横浜営業所
045-331-1071
共同運行会社
京浜急行バス(株)

海老名駅~羽田空港線

バス停
羽田空港(第1・2・3ターミナル)
所要時間(片道)
約60〜95分
担当営業所
相鉄バス(株) 綾瀬営業所
0467-78-5681
共同運行会社
京浜急行バス(株)、神奈川中央交通(株)

横浜駅西口~河口湖駅線(レイクライナー)

バス停
東名綾瀬~御殿場駅~富士山
山中湖~富士急ハイランド など
所要時間(片道)
約2時間30分
担当営業所
相鉄バス(株) 横浜営業所
045-331-1071
共同運行会社
(株)フジエクスプレス

横浜駅西口~軽井沢・草津温泉線

バス停
新横浜駅~たまプラーザ駅~軽井沢駅 など
所要時間(片道)
約5時間10分
担当営業所
相鉄バス(株) 横浜営業所
045-331-1071
共同運行会社
東急バス㈱、上田バス㈱

海老名駅/綾瀬市役所~御殿場プレミアム・アウトレット線

バス停
-
所要時間(片道)
約1時間30分
担当営業所
相鉄バス(株) 綾瀬営業所
0467-78-5681
共同運行会社
-

高速バス・空港バス

コミュニティバスほか

交通不便地区の解消を目指して

海老名市と綾瀬市のコミュニティバス、大和市の地域乗合交通「のりあい」の運行を受託しています。

海老名市内を走るコミュニティバス

コミュニティバス他

車両数・輸送人員・走行キロ・認可キロ

2022年度には乗り合いバス17台を新たに導入しました。低燃費で環境に優しいハイブリッドバスの導入も順次行っています。(2023年3月31日現在)

車両数(台)
291
輸送人員(千人)
28,802
走行キロ(千km)
7,080
認可キロ(km)
270.6
  • 高速バス、貸切バス、特定バスを除きます。

バスのバリアフリー

全てのお客さまが乗り降りしやすいバスに

床面や乗降口のステップを低くした「ノンステップバス(188台)」や「ワンステップバス(97台)」を導入しているほか、扉側の車高を下げて乗り降りしやすくする「ニーリング機能」を全車に装備しています。

停名表示機

お客さまへより分かりやすく

運賃やお知らせなどを静止画や動画で分かりやすく表示するカラー液晶画面の停名表示機を、全ての一般路線バスに設置しています。

停名表示機

IC型金額式定期券「ICトクトクていき」

あらゆるシーンで利用可能

路線バスの片道運賃の金額を設定することで同一金額区間内なら、どの路線でも乗車できるIC型金額式定期券を発売しています。設定金額の区間を超えて乗車する場合は、差額のみを精算することで乗車できます。

  • 他社のバス、海老名市・綾瀬市コミュニティバス、大和市「のりあい」、深夜急行バス、高速バス、空港リムジンバス、寒川神社初詣直通バスを除く。なお、他社との共同運行区間では、相鉄バス運行便のみご利用可能です。
PASMO

ICトクトクていき

ほほえみ会員証

ご高齢の方の地域の足として

相鉄バス全路線(高速バスと深夜急行バス、コミュニティバスを除く)を対象に、65歳以上のお客さまが乗車する際に提示すると1回100円(深夜バスは200円)で乗車できる会員証です。有効期間が約3カ月間 の3,300円券と同約6カ月間の5,500円券の2種類を、年4回発売しています。

ほほえみ会員証

ほほえみ会員証

バスの安全対策

ドライバー異常時対応システムと先進安全自動車

ドライバー異常時対応システムを搭載したバスを順次導入しています。このシステムは走行中、運転士に異常が発生した場合に作動させることで、警告灯や警笛音により周囲に緊急停止を報知しながら、徐々に減速・停止させるものです。また、先進技術を利用して運転士の認知・判断・操作をサポートする衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置、車間距離制御装置といった安全支援システムの導入も進めています。

ドライバー異常時対応システムの操作ボタン
ドライバー異常時対応システムの操作ボタン

安全運転訓練車

運転士の安全確認行動や運転技能などをデータ化して、収集・表示・分析できる安全運転訓練車を導入しています。癖や弱点などを可視化して、安全と運転技術の向上を進めています。

安全運転訓練車

バックアイカメラとドライブレコーダー

事故防止や万一の事故などの際の原因究明や安全教育に活用するため、全車両にバックアイカメラとドライブレコーダーを設置しています。

バックアイカメラを設置した車両

バスロケーションシステム「相鉄バスナビ」

より検索しやすく見やすい表現でお客さまの利便性を向上

一般路線バスと海老名市コミュニティバス、大和市の地域乗合交通「のりあい」にバスロケーションシステムを導入し、バスの到着予測時刻や多言語(4カ国語)での案内を行っています。また、一般路線バスでは車内混雑度の表示を実施しています。

相鉄バスナビ

安全管理体制

運輸安全マネジメント制度・安全報告書

運輸業を営む2社では、安全管理規程の制定と安全統括管理者の選任。安全最優先の方針の下、安全管理に関する会議体を設置するとともに、方針策定・実行・チェック・改善のPDCAサイクルを機能させ、輸送の安全を確保する安全管理体制を構築しています。また、輸送の安全に対する取り組みをお客さまにご理解いただくために、毎年「安全報告書」を作成し、相鉄グループ公式ウェブサイトにて公開しています。

運輸安全マネジメント制度・安全報告書

異常時に備えた訓練を実施

相模鉄道では、異常時総合訓練をはじめ、津波対応訓練やトンネル内火災避難誘導訓練などさまざまな異常時に備えた訓練を警察署や消防署の協力の下で毎年行っています。
また、相鉄バスでは、事故・災害対応訓練などを通じて、警察署や消防署などとの連携強化や役割の確認などを行い、異常時の対応力を強化しています。

相模鉄道の異常時総合訓練
相鉄バスのテロ対策訓練

安全への取り組み