トップメッセージ

次の100年を見据えて

相鉄グループは、1917(大正6)年の創立以来、鉄道業と横浜駅周辺および沿線地域の積極的な開発、そしてその地域での快適な暮らしをサポートする商品、サービスの提供を通じて事業を拡大し、近年では沿線外への積極的な事業展開にも取り組み、今日まで発展を遂げてきました。

近年、気候変動や生物多様性、ビジネスと人権など、企業が環境課題や社会課題にいかに取り組んでいるかに対する関心が急速に高まっております。また国内では少子高齢化・長寿化が進み、人口動態や消費者の価値観、ニーズが変容すると共に、デジタル化やグローバル化といったメガトレンドはここ10年で大きく進展・定着し、企業経営を行う上で重要なテーマとなっております。コロナ禍によって大きく変わった人々の消費行動は、今後も一定数残り続けると見られており、「Withコロナ」を踏まえた事業戦略の策定は不可避と考えています。

このような経営環境の変化を踏まえ、前長期ビジョン「Vision100」のコンセプトを踏襲しつつ、今般、新たな相鉄グループ長期ビジョン「Vision2030」を策定しました。今回の長期ビジョンは、グループ経営理念の基本理念である「快適な暮らしをサポートする事業を通じてお客様の喜びを実現し、地域社会の豊かな発展に貢献します」および今般新たに策定した「相鉄グループサステナビリティ方針」の内容を踏まえ、今後10年間における相鉄グループの経営方針、重点戦略のほか、最終年度における財務目標などについて、ステークホルダーの皆様にお示しするものです。

サステナビリティへの取り組みについては、今後「相鉄グループサステナビリティ方針」に基づき、新たな推進体制を構築してまいります。具体的にはグループ全社で横断的に推進する組織として「相鉄グループサステナビリティ委員会」「相鉄グループサステナビリティ推進会議」を設置し、グループ一体となってサステナビリティ経営を推進いたします。また、4つの重要テーマに沿った非財務目標を新たに設定しました。このうち環境への取り組みについては、中核事業である鉄道事業で使用する電力によるCO2排出量を2030年度までに2013年度比で46%削減することを目標に掲げ、今後電力の効率的利用の推進や、未利用地部分を活用した太陽光発電設備の設置、再生エネルギーの自社調達の検討も含め、必要な対応を進めてまいります。またダイバーシティの推進については、女性管理職比率や新規採用時の女性比率の向上に取り組んでまいります。

今後もお客様や地域社会・株主様・お取引先・従業員等のステークホルダーの皆様との信頼関係を構築しながら、当社グループが次の100年においても持続的な企業経営を維持できるよう、事業戦略とESGへの取組が連動したサステナビリティ経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。

代表取締役社長 滝澤 秀之